
カンタベリー王立裁判所は6月20日、インド国籍の25歳ジャスキラト・シンに対し、トラックの荷台で英国からフランスへ移民を密輸する組織を指揮したとして、懲役5年3か月の判決を言い渡しました。検察側はWhatsAppのチャットやTikTokの広告を証拠として提示し、シンが密入国者1人あたり最大5,500ポンドを請求していたことを明らかにしました。この判決は、近年の多くの事件が英国への密入国に関わる中で、シンの組織は逆にフランスの出国管理の緩さを利用し、シェンゲン圏内の国境が緩やかな大陸ヨーロッパへ移民を送り出していた点で注目されます。英国の移民取締当局はインドの捜査局と連携し、デジタル証拠の分析やパンジャブ州への資金流れの追跡を行いました。英国当局は現在、犯罪収益の没収手続きを進めており、内務省は押収した携帯電話から見つかったインドの出生証明書やパスポートの真偽確認のため、ニューデリーに協力を要請しています。この事件は、2025年の英印移民・モビリティパートナーシップに専用の執行付属文書が追加されたことを受け、密輸支援犯罪への二国間の取り組みが強化されていることを示しています。英国やEUにスタッフを派遣するインド企業にとっては、偽造書類の供給網が厳しく監視されていることを改めて認識する必要があります。特に、欧州ルート向けにインドで人材を募集する第三者物流業者やドライバー派遣会社を利用する際は、ベンダーのデューデリジェンスを再確認すべきです。裁判所はまた、シンの刑期終了後のインドへの強制送還と、英国およびシェンゲン圏への将来の入国禁止を命じており、密輸罪の有罪判決が長期的な移動制限をもたらすことを示しています。
出典: Outlook India