
2026年4月30日に下院に提出された法案は、オーストラリアの移民大臣に対し、指定国の一時ビザ保持者に対して最長6か月の入国禁止措置を課す前例のない権限を付与する内容です。この法案は、市民権担当補佐大臣ジュリアン・ヒル氏によって発表され、中東情勢の悪化と短期滞在者の不帰還率の増加を背景にしています。改正案では、大臣が「入国管理決定」を発令し、対象となるビザの種類や国籍を指定できるとしています。この措置は1回のみ更新可能で、最大12か月までの禁止延長が可能です。オーストラリア市民の直系家族や人道的・保護ビザ保持者は対象外となります。政府・野党双方がこの提案を支持しており、ビザの全面取消しを避けつつ、突発的な地政学的危機に柔軟かつ適切に対応できると主張しています。一方で人権団体は、大臣の広範な裁量権が正当な学生やビジネス渡航者を巻き込み、オーストラリアの教育輸出や貿易関係に悪影響を及ぼす恐れがあると警鐘を鳴らしています。法案が成立すれば、多国籍企業は決定内容を厳重に監視する必要があり、リスクの高い地域からの400(臨時就労)や600(ビジネス訪問)ビザ保持者の移動には突然の渡航禁止が発生する可能性があるため、二重ルートの代替計画を組み込むことが求められます。登録移民代理人は、可能な場合はブリッジングビザBなどの代替渡航書類の事前申請を推奨しています。上院の法務・憲法委員会は来週、迅速な審査を開始し、政府は6月の議会閉会前の王室承認を目指しています。