
イタリアは2026年5月21日、空港、港、陸路の国境でEU全域の入出国システム(EES)を導入し、非EU旅行者のパスポートスタンプに代わり生体認証登録を開始しました。この導入により、今年後半に予定されているシェンゲン圏全体のシステム展開に先立ち、イタリアの物理的インフラのアップグレードが完了しました。EESでは、入国管理官が指紋と顔写真を取得し、入出国の正確な日時と場所を記録します。システムはビザ免除の訪問者のシェンゲン圏滞在可能日数を自動計算し、英国、米国など多くの国籍に適用される90日/180日ルールの厳格な運用を実現します。導入初期段階では、特にローマ・フィウミチーノ、ミラノ・マルペンサ、混雑するブレナー鉄道検問所での遅延が予想され、新設のキオスクや自動ゲートの稼働率が完全に安定するまで時間を要します。航空会社には、搭乗前の案内で早めの到着を促し、万が一の手動スタンプ用にパスポートに最低2ページの空白を確保するよう指示が出されています。グローバルなモビリティや旅行リスク管理担当者は、滞在時間の延長に関するスタッフへの周知、到着案内の更新、契約者のシェンゲン滞在日数の管理を厳密に行うことが急務です。超過滞在は出国時に即座に検知されるためです。中長期的には、デジタル記録により駐在員の監査が簡素化され、税務上の居住日数計算も自動化されることで、学習曲線が落ち着けばコンプライアンスの負担軽減が期待されます。
出典: Schengen90 News