
オーストラリアの移民政策を巡る議論が今週、野党リーダーのアンガス・テイラー氏による最大6万5千人のビザ不法滞在者の強制送還提案で一層激化した。4月14日の政策演説で発表され、17日に広く報じられたこの計画は、不法滞在者の捜索・送還を担う合同機関タスクフォースの設置、臨時保護ビザの再導入、「安全国」リストの作成による難民申請の迅速化を盛り込んでいる。現行法の変更は伴わないものの、インド人留学生(約14万人でオーストラリア最大の外国人学生層)を中心に不安が広がっている。地域団体は、出席状況や労働時間、さらにはSNSの監視強化が次期選挙で連合党が勝利した場合に進むのではと懸念している。教育エージェントは、留学後の就労規制強化や一時卒業生ビザの手数料引き上げに直面する大学が、中間期の入学者数減少に見舞われる恐れを指摘する。アルバニージ政権はこの提案を「分断的」と一蹴し、現行の遵守措置で十分と主張している。しかし、専門家は移民政策の厳格化は両党の強硬な発言に先行することが多いと指摘し、卒業生人材に依存する企業はより厳しい執行環境に備えるべきだと警鐘を鳴らす。実務面では、学生や受け入れ企業はビザ条件の再確認、記録の徹底、遵守問題が生じた際は早期に専門家の助言を求めることが推奨される。人事部門も、ピーク時の勤務時間超過などの不注意な違反が取消通知に至る前に発見できるよう、内部の報告体制を見直すとよいだろう。現時点では政治的なパフォーマンスに過ぎないが、この提案の登場はオーストラリアの政策環境の不安定さを浮き彫りにし、国際的に移動する人材が変化するルールや言説に常に注意を払う必要性を示している。