
The Diplomatによると、ワシントンがインドの大手ITサービス企業からのH-1Bビザ申請の処理を停止する決定を下したことで、米印関係に新たな緊張が生まれている。両政府が中国の台頭に対抗するために重要と位置づけるパートナーシップに影響を及ぼすこの措置は、先週発表され即時施行された。TCS、インフォシス、ウィプロなどの企業からの新規申請を禁止し、これらを「H-1B依存企業」として、米国人労働者の雇用を奪っていると非難している。インド政府関係者はThe Diplomatに対し、これまでの協議は段階的な上限削減にとどまっていたため、今回の措置の範囲には驚きを隠せなかったと明かした。ニューデリーは報復措置として米国のビジネスビザ制限を検討しており、今月予定されていた貿易協議の延期も決定している。米国の多国籍企業にとっては、コーディングやシステム統合の下請け業務に影響が及び、プロジェクトのスケジュール遅延やコスト削減のためのオフショアモデルの見直しが迫られる可能性がある。すでに一部企業は、同じタイムゾーン内で主要エンジニアを確保するため、カナダとの「タレントコリドープログラム」の検討を始めている。今回の対立は、バイデン政権が推進するCHIPS・科学法の人材拡充計画にも圧力をかけており、インドのエンジニア人材に依存する半導体分野の専門職確保に影響が出る恐れがある。専門家は、解決策が見いだせなければ、両国が共有するサプライチェーンの強靭化目標を損なうリスクがあると警告している。両国の外交官は11月のG20貿易大臣会合前に作業部会の開催を望んでいるが、選挙年の政治的な状況から迅速な妥協は難しいとの見方が強い。
出典: The Diplomat