
2026年6月1日、ドイツの2つのGEAS適応法案が発効した。これらは2月に連邦議会で承認され、4月28日に連邦官報で公布されたもので、ドイツの難民法(AsylG)と滞在法(AufenthG)を、2026年6月12日から全加盟国で義務化される欧州連合の新たな共通欧州庇護制度(GEAS)に整合させる内容だ。法案はEUの最低基準を超え、議論を呼ぶ複数の点を含む。連邦州は、EU内で移動した人々を最長24か月拘束できる「二次移動センター」を設置可能となり、夜間の移動制限は子連れ家族にも適用され、庇護申請が却下された後は日中の外出禁止も認められる。法的支援団体は、これらの規定が事実上の拘束にあたり、基本的人権を侵害する恐れがあると警鐘を鳴らしている。同時に、ダブリン規則に基づく移送手続きの厳格化、逃亡リスクがあると判断された場合の拘束理由の拡大、空港での手続きの幅広い適用も盛り込まれた。6月12日以降、ドイツ当局は外部国境や空港でEU全域の新たな入国審査と迅速庇護手続きを実施するが、ドイツには外部シェンゲン陸上国境は存在しない。企業にとっては、特に空港での審査時間延長が非EU国籍者の乗り継ぎ時間を長引かせる可能性があり、従業員の移動やEU内の人材交流に影響が出る見込みだ。雇用主は渡航ポリシーを見直し、転勤者が他加盟国での合法的な滞在を証明する書類を必ず携行するよう徹底し、迅速手続きに回されるリスクを回避すべきだ。市民団体PRO ASYLを中心に法的異議申し立てが予定されており、6月12日のEU規則適用後の運用状況も注視される。多国籍企業は今後の法改正や裁判所の差し止め命令の可能性を見越し、移民関連サービスとの連携を密にする必要がある。
出典: PRO ASYL