
75日間の資金不足を経て、米下院は4月30日、上院で可決された歳出法案をついに承認し、国土安全保障省(DHS)の大部分を再開した。この法案により、約6万人の運輸保安局(TSA)検査官と2万7千人の税関・国境警備局(CBP)職員の給与が即座に支払われることとなった。これらの職員の給与は、短期的な資金移動でかろうじて支えられていたが、その資金も間もなく底をつくところだった。今回の閉鎖は、DHS創設以来最長となり、ビジネス旅行にも影響が広がっていた。航空会社はセキュリティラインの遅延が増加し、無給の職員の欠勤や離職によりフライトのキャンセルが相次ぐ恐れがあると警告していた。業界団体「Airlines for America」は、2月以降1,000人以上のTSA職員が辞職したと報告し、航空労働者の給与保護を恒久的に整備するよう議会に求めている。政治的には、下院議長マイク・ジョンソンが移民・税関執行局(ICE)への資金提供を除外しつつ、TSA、CBP、連邦緊急事態管理庁(FEMA)、サイバーセキュリティプログラムへの資金を復活させる超党派の上院法案に屈した形だ。保守派議員はこれまで採決を阻止していたが、DHS長官マークウェイン・マリンが今週中に緊急資金が尽き、夏の旅行シーズンとFIFAワールドカップを目前に控えた空港の警備や国境警備が危機に瀕すると警告したことで、渋々合意に応じた。グローバルモビリティマネージャーにとっては、入国管理の通常体制が再開され、グローバルエントリーの登録も再開可能となり、空港でのビジネス旅行者の待ち時間も数日以内に安定するといった即時の安堵がもたらされた。しかし、ICEへの資金提供がなく、会計年度末までの一時的な資金措置にとどまるため、議会が今夏以降により包括的な移民関連予算を通さなければ、再び混乱が生じる可能性があることに備える必要がある。