
ドイツの与党連合は、6月15日に緑の党が提出した「Fachkräfte-Schnellvisum(熟練労働者向け迅速ビザ)」の導入を求める包括的な動議により、熟練労働者の移民手続きの迅速化に新たな圧力を受けています。この動議は、内務省と労働省に対し、外国資格の認定制度の見直し、家族呼び寄せ手続きのデジタルワークフローへの統合、主要な移民申請書類の英語版公開を求めています。主な内容は、1)ブルーカード、求職者ビザ、迅速発給ビザを一元管理するオンラインポータルの設置、2)配偶者の自動就労許可、3)社内に移動専門家を持たない中小企業向けの専用ヘルプデスクの設置です。緑の党は、官僚主義を大幅に削減し、「国際的人材を単なる申請者ではなくVIP顧客として扱わなければ、年間40万人の外国人労働者獲得目標を達成できない」と警鐘を鳴らしています。また、動議は、良好な雇用オファーを持つ庇護申請者に対する一律の就労禁止措置の廃止も求めており、これは人道的かつ経済的措置として、数十年ぶりの労働市場の逼迫を背景に位置づけられています。ドイツスタートアップ協会などの経済団体も、現在の3~5か月に及ぶビザ発給期間が、カナダやポルトガルなど迅速な手続きを選べる優秀なエンジニアの流出を招いているとして、同様の改革を長く求めてきました。提案が採用されれば、書類の合法化から雇用主のスポンサーシップと入国後のコンプライアンス監査へと重点が移り、オーストラリアのモデルに近づくことになります。企業の人材移動チームは、選定された領事館での試行段階に備え、人事システムと外務省を直接連携させる新たな書類アップロード要件にも対応する必要があります。動議はまず内務委員会で審議され、与党は年内に熟練移民法の第二弾に一部を組み込む見込みです。即時の成立がなくとも、この動きはドイツのビザ制度が世界の人材獲得競争に勝つために、抜本的な迅速化と利便性向上が求められているとの議会内の合意形成が進んでいることを示しています。