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キプロス、全国最低賃金を1,088ユーロに引き上げ 世界の雇用主に影響を与えるコスト構造の変化

12月 25, 2025
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キプロス、全国最低賃金を1,088ユーロに引き上げ 世界の雇用主に影響を与えるコスト構造の変化
キプロス政府は年内最後の閣議で、2026年1月1日から国の最低賃金を8.8%引き上げ、現行の月額1,000ユーロ(試用期間後の総額)から1,088ユーロに改定することを承認しました。労働大臣マリノス・ムシオッタスは12月23日の夜の記者会見でこの決定を確認し、雇用開始から最初の6か月間の初任給は900ユーロから979ユーロに引き上げられると述べました。この改定は、キプロスの中央値賃金とEUの適正最低賃金指令を基にした6か月間の三者協議の結果です。

背景:キプロスは2024年1月に法定最低賃金を導入しました。それ以来、観光収入の記録的な増加とホスピタリティや建設業界の二桁の求人倍率により、第三国出身者やEUからの派遣労働者に大きく依存する労働市場が逼迫しています。今回の最低賃金は国の中央値賃金の約58%に相当し、EUの目標である60%には届かないものの、小売や飲食業など季節変動の影響を受けやすい業界では利益率を圧迫する水準とされています。

雇用者の反応:雇用者・産業連盟(OEB)は12月24日にこの引き上げを「過剰かつ経済的根拠に欠ける」と批判し、賃金上昇分を価格に転嫁できない企業は人員削減や投資抑制に踏み切る可能性があると警告しました。OEBは、キプロスが2026年のEU理事会議長国就任やシェンゲン協定加盟を目指す中で、コスト競争力を維持する上でインフレ圧力が加速すると指摘しています。多国籍企業は派遣スタッフや地域サービスセンターの給与体系や予算を早急に見直す必要があり、違反した場合は従業員1人あたり最大5,000ユーロの罰金が科される可能性があります。

キプロス、全国最低賃金を1,088ユーロに引き上げ 世界の雇用主に影響を与えるコスト構造の変化


労働組合の反応:主要3労組連合体(SEK、PEO、DEOK)は異例の共同声明で、この改定を「一歩前進だが、必要な歩幅には程遠い」と評価しました。約5万人の低賃金労働者が即座に恩恵を受けると見込む一方で、188ユーロの引き上げのうち自動生活費調整(ATA)を除くと実質的な増額は67ユーロにとどまると指摘。組合は最低賃金を中央値の少なくとも60%(約1,130ユーロ)に引き上げることを求め、2026年の団体交渉でこの課題を強く主張する方針です。

実務上の影響:
・グローバルモビリティ担当者は、2026年1月1日までに生活費指数、困難手当、シャドウペイロールの計算を更新する必要があります。
・有効日以降に申請される就労許可の更新では、新賃金を反映した雇用契約書を市民登録・移民局に提出しなければなりません。
・EU派遣労働者執行指令に基づく派遣労働者通知も即時に賃金改定を反映させる必要があります。
・フリーポートやIPボックス制度を利用する企業は、賃金コストの増加が税制上のメリットを減少させる可能性があるため、人員計画を慎重に見直すべきです。

今後、労働省は2026年6月に生産性データやEU最低賃金指令の国内導入期限の影響を踏まえた再検討を約束しています。現時点でキプロスは、ポルトガル、マルタ、スロベニアと並び、法定最低賃金が1,000ユーロを超える小規模EU経済圏の一員となりました。これは業種やスキルレベルによっては、優秀な人材の誘致にも阻害にもなり得る動きです。
出典: Cyprus Public Broadcaster (ΡΙΚ) & Ministry of Labour press briefing

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