
EUの生体認証入出国システム(EES)が導入されてから数週間、数時間に及ぶ長蛇の列や乗り継ぎの失敗、キオスクの故障が相次いでいると、ガーディアン紙が数百件の報告をまとめました。このシステムは、EU域外からの全ての入国者の指紋と顔の生体情報を収集するもので、4月10日から義務化されました。英国国民は「第三国」訪問者として、シェンゲン圏に初めて入る際に登録が必要です。旅行者からは、コペンハーゲンやマラガで3時間待ちの報告があり、妊娠中の乗客はピサで座る場所も水もないまま4時間も到着待機を強いられました。乗り継ぎに失敗すると即座に費用が発生し、あるITマネージャーはコペンハーゲンからヒースローへの便を逃し、スタンステッド経由での再予約に2,000ポンド以上を費やしました。出張保険会社は、EESの遅延は「国境管理の問題」とみなされるため補償対象外となる可能性があり、企業が再予約費用を負担することになると指摘しています。航空会社は、夏の旅行シーズンには加盟国のスタッフ増員がなければ混雑がさらに悪化すると警告しています。一方、英国政府は自国のETAプログラムが事前データを提供しているとして、生体認証の出国管理を導入しない方針を示しており、この非対称性が乗客の混乱を招く恐れがあると航空会社は懸念しています。実用的なアドバイスとしては、従業員に乗り継ぎ時間を余裕を持って確保するよう伝え、再登録の際に搭乗券を手元に置くこと、そしてEESが適用されないシェンゲン圏外のダブリンなどの空港経由を検討することが推奨されています。
出典: The Guardian