
スペインがスタートアップ法のもとでデジタルノマドビザを開始してから3年、需要が急増しています。マルベーリャ拠点の移民専門事務所ボカネグラ・ロイヤーズによると、2026年の月間申請件数は2025年の約3倍に達しており、いわゆる「ベッカム法」による有利な税制が追い風となっています。しかし、領事館の対応能力が追いつかず、ロサンゼルスやロンドンなど申請が集中する拠点では、面談予約まで最大6か月待ちの状況です。同事務所の5月の報告では、却下率も上昇傾向にあります。主な原因は、自己負担金のある健康保険(スペインでは自己負担ゼロの保険が必須)、90日以上前のアポスティーユ証明書、スペインでのリモートワークを許可しない雇用主の証明書です。ビザなしで入国し、最初の90日間の滞在中に国内で申請するリモートワーカーは、書類に不備がなければ20日間の処理期間が維持されています。企業の人事担当者にとっては、二つの重要なポイントがあります。まず、領事館での面談予約が必要なリモート従業員の移転には、リードタイムが3か月以上に延びており、プロジェクトスケジュールの調整が不可欠です。次に、税務計画が重要で、24%の一律課税制度は、スペインの社会保障に登録後6か月以内に申請した場合に限り適用されます。雇用主は、学位の認証、犯罪経歴証明、社会保障加入証明などの書類収集を、配属開始前に早めに始めることが推奨されています。また、一部の企業は候補者が決まり次第、迅速な対応のためにスペインの民間健康保険をまとめて事前契約する動きもあります。業界関係者は、2026年末にETIASが導入されることで、シェンゲン圏内で90日以上の滞在が必要な非EUのリモートワーカーにとって長期滞在許可の魅力がさらに高まり、需要の増加が続くと見込んでいます。