
地域の安全保障上の懸念を背景に在宅勤務が急増していることを受け、アラブ首長国連邦(UAE)人材・エミラティゼーション省(MoHRE)は4月1日、リモートワークに関する雇用主の義務と労働者の権利を明文化した15項目の指針を発表しました。主な内容は、週最大48時間労働の上限設定とそれを超えた場合の残業代支払い義務、週1日の有給休息日、雇用主負担の健康保険および最大2万AEDの賃金保護カバー、さらに採用費用を労働者に転嫁することの明確な禁止などです。年次有給休暇(勤続1年後30日)、産休・育児休暇・病気休暇の権利も、現場勤務者と同様に適用されます。人事・モビリティ担当者にとっては、これらの規定が明確化されたことは歓迎すべき内容です。企業は、労働時間、契約期間、機器の使用、業績評価基準を明記したリモートワーク契約書を発行しなければならず、契約終了時には労働許可証やビザの取消し責任も負います。「ログインはしているが実際に働いていない」といった違反に対し警告や懲戒を行わなければ、解雇手続きが無効になる恐れもあります。この指針はドバイのリモートワークビザ規制強化とも連動しており、UAEがリモート勤務を一時的な緊急対応ではなく、制度的に整備された専門的な雇用形態として位置づける意向を示しています。