
ダブリン空港の年間乗客数3,200万人の上限を巡る長年の論争に新たな展開がありました。米国運輸省(DOT)は、アイルランド航空の大西洋横断路線における権利制限の是非を判断する期限を5月6日まで30日間延長しました。この決定は4月10日に発表され、航空業界団体「Airlines for America(A4A)」の苦情を受けたものです。A4Aは、この上限がデルタ航空やユナイテッド航空などの成長機会を制限し、エアリンガスに不公平なスロット優位を与えていると主張しています。DOTは3月31日にワシントンとダブリン間で「継続中の政府間協議」が行われていることを理由に挙げ、外交的解決が急な制裁よりも公共の利益にかなうと説明しました。アイルランド政府は2007年制定の上限撤廃を目指す法案を提出済みですが、夏の議会休会前の成立は見込めず、ピークシーズンの追加便を狙う米航空会社には間に合わない可能性があります。アイルランド唯一の米国向け旗艦航空会社であるエアリンガスは、DOTが最終的に交通権を制限した場合、最も直接的な影響を受ける恐れがあります。一方で、米大手航空会社も巻き添えを食うリスクがあり、オープンスカイ協定の一時停止はEUの報復措置を招き、パンデミック後の大西洋路線の回復に不安をもたらす可能性があります。移動や出張手配担当者にとっては、スロット申請の動向を注視することが重要です。報復措置が現実化すれば、企業の出張管理者はロンドン、パリ、フランクフルト経由の乗り継ぎ便への切り替えを検討せざるを得ず、アイルランド発のビジネス出張に時間とコストが増加する恐れがあります。